期間の定めのある労働契約を結ぶ場合、通常では契約期間を、
「平成◯年◯月◯日~平成◯年◯月◯日」など、「何ヶ月」などの単位で契約をすると思いますが、
例えば、社内プロジェクト(プロジェクトの終了時期については不透明)のための労働契約をした場合、
契約期間を「プロジェクトの完了まで」とすることは可能なのでしょうか?
期間の定めのある契約は原則として、途中退職・解約はできません。
途中退職・解約する場合には、当事者間の同意、もしくはやむを得ない理由が必要です。
目次
労働基準法の制限
労働基準法では、有期契約は労働者をその期間だけ拘束することから、
長期間の労働契約を禁止しています。一定の事業の完了に必要な期間を定める契約の場合を除き、
労働契約は原則的に3年、例外的に5年(60歳以上の労働者、厚生労働大臣の基準を満たすもの)となっております。
「一定の事業の完了に必要な期間を定める契約」に該当するかの検証
つまり、契約の期間として、一定の事業の完了に必要な期間を定める契約の場合には、
3年、5年の制限を受けない事になります。
では、この社内プロジェクトが、一定の事業の完了に必要な期間を定める契約の場合
に該当するのでしょうか?
一定の事業の完了に必要な期間を定める場合とは
一定期間事業所を設置し、終了の際にはそれを閉鎖するというプロジェクトのためのものである
との見解があります。(菅野和夫著「労働法」弘文堂)
また、厚生労働省労働基準局は
一定の事業の完了に必要な期間を定めるものとは、
例えば、4年で完了する土木工事において、技師を4年間の契約で雇い入れる場合のように、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかな場合であり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である
としています。
結論
つまり、社内プロジェクトのようなものであれば、
上記での説明に該当するような、「事業」であるとはいえないでしょう。
また、プロジェクトの期間が不透明であることから、客観的にも「有期的事業」であるとは言えません。
よって今回の社内プロジェクトのようなケースは一定の事業の完了に必要な期間を定める契約の場合
には該当せず、半年契約や1年契約といったような期間で契約をする必要があります。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
【編集後記】
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
全豪OPENの王者 セレーナ・ウィリアムスがエアフォース1履いとる!